暗闇の中で子供:舞城王太郎

舞城の二作目で、
一作目「土か煙か食い物」の続き。
なんで二作目なのに今更かというと、
文庫で出てなかったから。
というトリックなんですけどもね、はい。
ノベルス順に文庫化すると思うじゃないですか。
完全な続き物だから、いきなり買う人を防ぐためなのか。
とりあえず読み終わったんですが、
話は混沌としていて、真実は殆どわからず。
こういう登場人物がいましたとさ、
くらいしか確信がもてないし、それすら危うい。
章単位で読めば、
それぞれが(嘘による)真実として書かれているのだろうけれど
全体を一つの物語として読むと矛盾が生じて辻褄が合わない。
フィッシュボーン図のイメージ。
骨が真実で肉は嘘。
嘘多すぎ。
でも、どうしようもなく面白い。
舞城のこれ系の本は破綻しすぎてて、
思考をトレースしようと頑張っても、
相手が瞬間移動するから途中で見失ってしまう。
俺はその感覚が楽しいんだと思う。
メスの話はブラックジャックのパロなんだろな。
そういうの結構あるのかな、気付かないけど。