俺童話

男の子と女の子がいました。
二人は仲の良い兄妹でした。
二人は両親と一緒に平和な生活を営んでいましたが、
ある日、両親が事故で死んでしまいました。


女の子は悲しみにくれました。
男の子は外で働き、二人で生活するためのお金を稼ぎました。
時が経ち、女の子の悲しみは薄れ始めましたが、
「兄さんまで死んだら、生きていけない」
と嘆き始めました。


男の子は、
「大丈夫だよ」
とだけ言いました。


ある日、男の子の仕事が終わり、家に帰っている時のこと。
突然目の前に男が現れ、言いました。
「頑張っている君の、望みをひとつ叶えてあげよう」
男の子は、両親を生き返らせて欲しい、と頼みましたが
それは出来ないと言われました。


「じゃあ、僕を妹より長生きさせてください」
男の子は言いました。
優しい男の子は、女の子にこれ以上の悲しみを与えたくなかったのです。
そういうと男はわかったと言って消えました。


男の子が家に帰ると、
女の子はベッドに横になっていました。


それはまるで眠っているようでした。