窓から見えるのは子供がサッカーしている様子。
僕はそこで一緒に遊べたらどんなにいいかと思うけれど
少年らと僕は二倍以上のの年齢差があるだろう。
子供を呼ぶ母親。
日も落ちてきて家々には灯りが灯り始めてきた。
呼ばれた子供はこれから晩御飯を食べるのだろう。


高校を卒業して2ヶ月たったが
定職につくでもなく
僕は部屋にこもっていた。
何をする気も起きない。
卒業して働きに出ている友達らは
すでに新しい友達(同僚?)が沢山出来ているようで
僕はどんどん彼らと疎遠になっていくのを
感じていた。


自分をある一点にとどまらせることで
「自分」を確立してきたと思っていた。
馬鹿ばっかりしていた学生生活と
社会に出た同級生達の姿はまったく違った。
皆と同じように社会という「枠」にはまることが
僕にはとても恐ろしいことだった。


そうして卒業して初めてのお盆休みに入り
友達数人で集まって飲み会をすることになった。


久しぶりにあった仲間たちは
仕事が大変だとか、そろそろ結婚しそうだとか
やはり僕の住んでいる部屋では起こりえないことの話ばかりだった。
でも、一つわかったのはこいつらの根本にあるものは
かわっていないということだった。
僕はどんどん酒を呑み
意識はいつの間にか途切れていた。


目覚めるととそこは家のベッドで
身体を起こそうとすると頭がひどく痛んだ。
二日酔いだった。
今日はこのまま寝ようと思ったが
窓から入る西日がまぶしかったから
カーテンを閉めるために立ち上がった。


カーテンに手をかけると
窓の外ではいつかのように子供達が遊んでいた。