チェンジザワールド

つまらない顔をして歩いていた。
目の前では友達達が楽しそうに話しているけれど
私はその会話に何も感情がわかない。
だからつまらない顔で歩く。
友達との距離が5メートルになったとき
私だけ十字路を右に曲がった。


地方銀行の階段に腰をかける。
「私がここにいる意味ってなんだろう・・・。」
何度も考えたことだけどわからない。
ただ、彼女達とおしゃべりすることでは無いことはわかった。
ぼんやりと空を見上げると
星が見えていた。


いきなり星が見えなくなった。
気付くと目の前には男が立っている。
「何してるの?」
頭の悪そうな男だ。
「世界の終わりを考えてんの」
私はぶっきらぼうに答える。
「世界が終わってしまうの?」
「そうよ、私の世界には私がいないの。もう終わってるのかもね。」
「それは悲しいね。」
「まぁね、でも仕方ないわ。」
「どうして?」
「私がそれを受け入れてるから。」
「じゃあさ、俺がその世界を変えてあげるよ。」
「は?」
「俺が君の世界に君を作ってあげる」


街灯が灯り始め、彼の顔が見えた。
彼はにこにこ笑っていた。
私がぼーっとしてると彼は手を差し出してきた。
我に返りその手を取り、私は立ち上がる。
「歩こうか。」
言われるままについて行く。
一歩一歩、歩くごとに私が生きていることを実感した。